「夫からのサプライズに心躍る！3万円の業務用ネギカッターが話題に！」

「ネギカッターを買ってきた夫」と題された玉村夕子の新作小説。

時は現代。主人公・川口由香は幸せな結婚生活を送っていた。そんなある日、彼女の夫である真一がとんでもないものを買って帰ってきた。

「何か分からないけど、とにかく3万円もしたらしいわよ」

由香は興味津々でその荷物を開けると、現れたのは業務用のネギカッターだった。

「なんでこんなものを買ったの？」

真一はニヤリと笑いながら言った。

「このネギカッター、駆動力がすごいんだ。一般家庭にはオーバースペックかもしれないけど、どんなタフなネギもカットできるんだって！」

由香は首をかしげたが、真一の熱い説明に興奮が湧いてきた。

「じゃあ、今晩の夕飯にネギをたくさん使ってみようかしら」

由香は心躍る気持ちで料理を始めた。

すると、夫婦の食卓には超巨大なネギ料理が登場した。ネギ焼き、ネギ炒め、ネギ天ぷら、ネギの漬物…。

由香と真一は大笑いしながら、その特大ネギ料理をひとつずつ平らげていった。

しかし、2人が飽きることなくネギを食べ続ける様子に、庭で暮らしている猫たちが興味津々で視線を送っていた。

夜が更けていくなか、ネギが少なくなってきたころ、突然由香は気づいた。

「そう言えば、ネギカッターを買ったきっかけって…何だったの？」

真一は笑いながら答えた。

「実は、ネギを切るのがとても苦手でさ。だからこれでネギ料理を作ったら、自分でネギを切る手間が省けると思ったんだ」

由香は思わず笑い出し、真一も笑いながら彼女の手を握った。

「いつもありがとう、真一。こんな風に笑いあえる時間が一番大切なんだね」

大きなネギ料理の中で、2人は幸せな笑顔で結ばれた。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：7 笑える：9 悲しい：0 夢がある：7 怖さ：0. 合計点：23