「作家のブランクに迫る時…！」

ある日、とある街で人気作家のちくわは、急にアイデアが湧かなくなってしまった。一度も経験したことのないブランクに悩んでいるちくわの元に、風変わりな猫が現れた。

「こんにちは、ちくわさん。私はモカといいます。ちくわさんの小説のヒントをお届けしに来ました」

モカはちくわの前に座り、小さな紙袋を取り出した。

「これは、時空を超えるポータルの入り口を開く魔法の粉です。これを振りかけると、想像力が爆発して、面白いストーリーが生まれるんです」

ちくわは興味津々で粉を手に取り、振りかけると、突如として目の前が明るくなった。彼女はなんだか不思議な感覚に包まれ、場所も時間も飛び越えたような気がした。

目の前に広がるのは、江戸時代の町並み。ちくわは着物姿の美しい女性、佐藤葵と出会った。佐藤葵は幕府の役人と結婚し、幸せな日々を送っていたが、ある日夫が突然失踪してしまう。

葵は夫を探すため、刀の名手である伝説の侠客、風魔静馬に助けを求めることにする。風魔静馬は情報屋のところで夫の手掛かりを掴むものの、その場所は化け猫が出ると言われる屋敷だった。

二人は屋敷に忍び込み、謎の仕掛けを乗り越えながら奥深く進んでいく。すると、一室には夫が拘束されている光景が広がっていた。夫を解放し、喜び合う二人だったが、突如、屋敷が崩れ始める。

「時間切れだ！早くポータルに帰るしかない！」

静馬の言葉に、二人は必死でポータルを目指して走り出す。しかし、道中で屋敷の主が襲いかかってきた。

「私の屋敷から逃げるとは、許さないわ！」

屋敷の主の影に追い詰められ、二人はポータルの前にたどり着くものの、静馬が足を怪我してしまい、立ち上がることができない。

「葵、私を置いて逃げてくれ。君が逃げれば、この世界からの帰り道も見つかるはずだ」

葵は悩ましそうな表情で首を振る。

「私はあなたと一緒に帰るわ。絶対に置いていかない」

二人は手を繋ぎ、ポータルに飛び込む。すると、目の前が白く明るくなり、次に目を開けたときには、ちくわの部屋に戻っていた。

「ちくわさん、どうだったかしら？新しいストーリーが浮かんだ？」

モカはちくわを見つめる。

ちくわは溜め息をつきながら言った。

「面白いストーリーは思い浮かびましたが、ただ一つ、結末がちょっと不思議な感じになってしまいました。でも、それがちょうど良いのかもしれませんね」

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：5 笑える：2 悲しい：3 夢がある：7 怖さ：4. 合計点：21