「驚愕！異世界に迷い込んだ僕が出会ったのは、人参姫コスプレの謎めいた美女！？」

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：8 笑える：7 悲しい：3 夢がある：6 怖さ：2. 合計点：26

一駅前で降りてしまったのに、なぜか僕は間違って乗車。混雑した電車の中で、数々の固有名詞が目に飛び込んできた。目の前にいたのは、風変わりなコスプレ姿の女性。彼女の名前は「リリカ」。彼女の頭には巨大な人参のかぶりものがのせられていた。

「この人訳わかんないことしてるなぁ」と思いつつも、目をそらすことができずにいた。突然、リリカが立ち上がり、一つの鞄から「さいばし立て」を取り出し始めた。

「どうやら彼女は、さっきの鍋物に便利なアイテムの宣伝をしているらしい」と周囲の人たちはざわめいた。

リリカは、さっそくその「さいばし立て」を使い、鍋の取手に挟み込んでみせた。驚くべきことに、鍋が完全に傾いているのにもかかわらず、底が外れることなく立ち上がっているのだ。

「なんだ、これは!?」思わず声が出てしまった。

リリカは自信満々に説明を始めた。「これを使えば、底が汚れることなく鍋を洗うことができるんですよ。まさに底が外れて洗いやすい。」

周囲の人たちも驚きを隠せない様子。「こういうのが欲しかった！」「これなら鍋物の後片付けが楽になる！」と声が上がる。

そして、電車は次の駅に到着した。リリカはにやりと笑みを浮かべながら、鞄に「さいばし立て」をしまった。

「おしまい、だれ?”とリリカは背を向け、次の駅で電車を降りた。

僕はそのまま姿を消したリリカを見送りながら、思わず、「まさか、彼女はこの「さいばし立て」を作ったアーティストなのだろうか？」と考えてしまった。

リリカの存在が現実世界にいること自体が驚きだっただけに、この短い出会いがどんな意味を持つのか、僕にはわからなかった。

しかし、鍋物を作ることが多い僕にとって、この「さいばし立て」はまさに救世主。今日の偶然の出会いは、確かに意外性があったが、その結果、僕の生活に大きな変化をもたらすことになるかもしれないのだ。

はたして、リリカとの出会いは、底が外れて洗いやすい「さいばし立て」以外の何かをもたらすのか、それは謎のままだ。