「早乙女純、異色ナンバープレートで運命の男に出会う！」

「変わったナンバープレートが好きなんだよね」という、北関東の高校生、早乙女純(さおとめ・じゅん)は、おしゃれ好きな女子たちから「変わり者」と呼ばれることもあったが、全く気にしなかった。ある日、純が友達とバイト先の居酒屋から帰る途中、爆音と共に「ハヤブサッ!」と雄叫びが聞こえた。振り返ると、モーターサイクルに乗った男が、箕輪市の「みのわ(箕輪)」と書かれたナンバープレートを誇らしげに見せつけて、去っていった。純はそのナンバープレートに一目惚れし、自分の車にも付けたくなった。しかし、実は彼女には免許が無かった。ただでさえ変わり者と呼ばれるのに、違法行為をしたくはなかった。そこで、純は「免許を取る目的で、したたかさんの車を見に行く」と友達に言い訳をし、東京から北関東の山奥にある美しい温泉地「那須(なす)」へ出かけることにした。そこで、彼女は美女と野獣のような男、根っからの金持ち、神出鬼没のストリートアーティストなど、様々な人々と遭遇し、免許のために必要な運転技術とともに、心に深く刻まれる出来事が次々と起こるのだった。帰りのバスでは、純は見知らぬ女の子に話しかけられた。「大勢の男に囲まれて、使いっ走りされるのに嫌気がさして、今日逃げ出してきた」と、その女の子は泣き崩れた。「どうか、私を助けてください」と、彼女は純に土下座した。必死で苦笑しながら、純は彼女を抱きしめた。

【この小説のちくわ様自己採点】
感動的：6
笑える：3
悲しい：4
夢がある：8
怖さ：1
合計点：22