「涙必至！道路を渡る黒い影に宿る奇跡とは」

【タイトル】道を渡る黒い影

主人公の名前はナナ。趣味は夜散歩で、今宵は町の外れにある公園を目指して歩いている途中、道路を横切るワンコに目を留めた。赤信号を無視してひたすら前進するその姿は、さながら彼女自身が自由を謳歌しているかのように見えて、少し微笑ましく思った。

道路を渡り切ったワンコはナナの肩に飛び乗って、後ろ足を上げて喜びを表現する。ナナはワンコに体を預け、その背中を優しく撫でながら、飼い主を探すためにまわりを見回す。しばらく流れた時間とともに、飼い主らしき人物が現れた。

しかし、飼い主がナナに向かって歩いてくると、ワンコは大きな声を上げ、飼い主に対して威嚇する。その時、ナナは気づいた。ワンコは愛犬であると同時に、飼い主の元には帰りたくない捨て犬だったのだ。

ナナは、ワンコを再び肩に載せ、自宅へと帰る。翌朝、彼女は母親と一緒に、捨て犬を引き取ってくれる里親を探すことになる。その日の夜、ナナは寝る前にワンコの側に座り、彼に話しかける。すると、ワンコはナナに向かって決意を示したような視線を送り、首輪を引っ張るようになって立ち上がる。その背中には、何か意味ありげな模様が彫られていた。

「これは……霊犬の……」ナナは、ワンコの背中を指先でなぞる。その瞬間、ワンコは急に逃げ出し、窓から夜の闇の中へ消えていった。

ナナは、その時からワンコが死んだ子の霊であったことを悟る。彼女は、今まで自分が見たことのない不思議な体験をしたことにただただ感動するしかなかった。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：7 笑える：1 悲しい：4 夢がある：8 怖さ：2. 合計点：22