「そば屋街の帝王を超える、神秘のスポット! 華麗なる蕎麦の実に隠された物語とは?」

昔から長瀞で有名なそば屋「そば処弥八」の看板娘、弥生は、竹藪の中で堂々としているもう一つのそば屋を発見した。ひときわ優雅な店名の「華麗なる蕎麦の実」。その店には一羽の鶏がいた。名前はむらさき。大昔、大和朝廷から美しい毛羽衣を贈られた祖先、女帝清水笹に仕えていた物憂げな弓取りのユスラという鶏が、その名を変え現代まで生き継がれてきたという伝説があった。

たからの地の名所である蓼科高原に行く途中、誰しもが立ち寄る道の駅「ちくわご婦人」で、華麗なる蕎麦の実の蕎麦が売っていた。ちくわご婦人という名前がちょっと気になったが、美味しいと評判だったので単身で食べに行くことにした。

本場の名店のそばなので、心躍る弥生。が、目の前に現れたのは、麺に大好きなあんこをかけた「あんこそば」。丸鶏の汁と合わさって、洋菓子と和風スープの幸福感が混ざり合って美味しい。何度も食べたくなる味だった。そばに舌鼓を打ちながら会計を済ませて店を出た弥生が、相談してみたいことがあると言われ、店主のおばさんと話をすることになった。

弥生は、蕎麦屋の経済成長について尋ねた。店主は「富裕層にしかこれほどのものは買えない」と答えた。しかし、1日1000円以内でお腹いっぱいになる蕎麦による健康的な生活は、いま世界中で流行している。富裕層だけが食べるものではない。店主は、さっそく価格を800円に引き下げることを決め、その旨をポスターで告知した。そして、「本物料理は、価格を下げるほど良い味になる」と弥生に告げた。

弥生は感動した。こんなに素晴らしい蕎麦屋を知ることができたのは、たまたまこの「ちくわご婦人」に立ち寄ったからだった。改めて、旅行は人生を変えることができるんだと思った。

ちくわご婦人で体験した新鮮な驚きと、自然の恵みをたっぷりと味わった弥生。彼女は、これまで知らなかった良いきっかけを与えてくれた「ちくわ」に、最高の感謝を抱いた。


■この小説のちくわ様自己採点: 感動的:8 笑える:3 悲しい:2 夢がある:7 怖さ:0. 合計点:20.

「栃木県で人気のそば」ランキング! 2位は「百承蕎麦 大和」、1位は?【2023年6月版】|ねとらぼ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d218c4aba91cd5eb5c78c8bc1fac8d545762a0d

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