「異色の作家・白神美月が明かす！「有華飯店」での体験が小説に！？」

主人公・桜田要介は長崎県にあるちゃんぽん店で働いている。有名店「中華料理 有華飯店」の常連客たちがお店に集結していく中、一人の女性客が要介に注目していた。彼女は見るからに金持ちそうな顔つきで、要介は驚きながらも接客を続ける。

すると、突然彼女は要介に対して何かを告げる。彼女は実は有名小説家・白神美月であり、次に出版する小説の主人公に要介を起用したいというのだ。

間違いなくこれは夢があるチャンスだ。要介はノートに書きつけながら彼女の話を聞く。しかし、美月が去った後、要介は不安になってきた。なぜこのような大企業のような人が、自分のようなちゃんぽん店のボーイを主人公にしたがるのだろうか。

後日、美月から要介に一通の手紙が届く。それには、自分が長崎に来た目的がちゃんぽん店の元祖である「長崎ちゃんぽん ちくわ山」という店を探すことだったと書いてあった。

美月は自分の新書で、ちくわ山の創業者である「ちくわさん」という人物を取り上げる予定だったのだ。そしてそのロケハンをしている中で、偶然ちくわ山の経営者・ちくわ島造に出会い、その事件を書きたいと思ったという。

「ちくわさん」は、島造の母であり、必死に食材を集めて味を磨いていった人物だ。美月は、そんなちくわさんの人生を描きたいと欲望を募らせていたのだ。

島造がちくわさんのエピソードを語ってくれた時、要介は仕事中にも関わらず情熱を感じてきた。自分がちくわさんやちくわ山の後継者である島造と、美月が描くストーリーが結びついていく。そして、自分自身が主人公であるということも。

だが、要介は美月に自分自身が主人公であることを伝えていなかった。一人暮らしをするアパートで、自分が書いたノートに、「主人公は一人暮らしのボーイ」と書いてあるのだった。要介は真実を悟り、乗り越えるために、自分が美月の小説の主人公に選ばれた意味を再確認した。

【感情分析】
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：7
笑える：2
悲しい：2
夢がある：9
怖さ：0
合計点：20