「山が大好きなマルが何かに悩まされる…その真相とは？」

柴犬の名前はマル。彼は山が大好きな犬で、何度も山に登っては、気持ちをリセットしていた。しかし、今日は何かが違った。飼い主の手からマルのリードを外すと、マルは一瞬ためらった。そして、山へ向かい、その途中で行き交う人も犬も、なぜかマルを避けるようになった。マルの表情は重く、どこか気持ちが沈んでいるようだった。

最終的に、マルは大好きな山へ到着した。しかし、その景色に彼は全く反応しなかった。そんなマルに、ワンと大声を出して山を褒め称えた飼い主。すると、マルの目から不思議な火花が飛び散った。マルは制御できないほどに飛び跳ねるようになり、周りにいる人もビックリ仰天。マルの目つきは前とは全く違い、輝いているように見えた。

そして、飼い主が躊躇う暇もなく、マルは崖を駆け上がった。飼い主は恐怖で目が飛び出しそうになり、叫びながら追いかけることしかできなかった。しかし、それは必要なかった。マルは上りきってから、自分自身で戻って来た。

飼い主が立ち止まってマルを見上げると、マルが立つ場所に、何もないということに気付いた。そこで、飼い主はマルが世界から見た「山」の形が、実際の「山」とは違うことに気付いた。知る人ぞ知る、マルの下にしかない山の形だったのだ。飼い主は、マルが喜ぶ場所を再現すれば良いと思い、以来、マルは晴天の日には、その山に登るようになった。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：5
笑える：1
悲しい：0
夢がある：9
怖さ：0
合計点：15