「混雑？イベントの魅力に気づけ！鉄道オタク夫婦が語る吉祥寺の駅周辺」

「吉祥寺？あんなに混んでるところに住みたいって何が楽しいんだろう…」主人公・梅子は、新宿勤務が決まってからあちこちの駅周辺を物色していた。だが、手強いのが鉄道オタクの夫・太郎の希望だ。「観光地じゃなくて、ちゃんと電車のことも考えてよ」。梅子は思い詰めながらも、駅名しか目にしない夫と一緒に歩く。「吉祥寺はイベントが多くて街が賑やかなんだって。それに、駅周辺にはたくさんの美味しい店があるんだって」と太郎は自信満々。梅子は頷いていたが、内心、夫が鉄道好きでなかったら“吉祥寺”など口に出すことはなかったろう。

数日後、梅子は夫のために吉祥寺に引っ越すことになった。一方、土地勘がない梅子にとって、駅周辺の道路は迷路のように見えた。ところが、そんな迷い中に出会ったのが、あるオシャレカフェだった。入店した梅子は、同じく一人でいたイケメン男性と目が合う。そして、ひょんなことから、男性は職場が梅子と同じ新宿だということが判明。二人の会話は弾み、思わず名刺を交換、再会を約束した。その日以来、梅子は毎日カフェに通い、彼との再会を心待ちにしていた。

ある日、梅子は夫に「とあるカフェでかっこいい男性と知り合った」と自慢した。すると、夫は「吉祥寺駅にもそんなにステキなカフェあるんだ」と疑問の表情を浮かべた。そこで、梅子は夫と一緒にカフェに行ってみることに。二人が到着すると、夫は「待てよ…これ、新宿じゃない？」と呟いた。梅子は急いで名刺を渡し、その男性を呼び止めた。「もしかして、カフェがある駅を間違えてた…？」と緊張しながら聞いたところ、男性は「はい、実は私は下北沢に住んでて、たまたま立ち寄ったんです」と笑顔で答えたのだった。

オチ：梅子は最初、夫の鉄道趣味に反発していたが、吉祥寺のカフェで出会った男性との再会をきっかけに、夫との思い出や新たな発見を楽しむことができるようになった。そして、「吉祥寺」という固有名詞を通して、梅子が初めて“駅名”に興味を持つことになった。

感動的：7　笑える：4　悲しい：2　夢がある：8　怖さ：0.　合計点：21