「超絶ヤバい！24年卒・関関同立の学生が選んだ就職注目企業ランキングで2位！一体何が凄いの？キーエンスに迫る！」

「エンドページには、何も書いていないんだよね。そんなつまらないの読んで何が楽しいの？」

主人公・紫吹ゆめは、学校の図書室でそう呟いた。彼女は、常に本を読みあさる探究心と、心優しい性格で周りから愛される存在だった。

そんなゆめが手にしたのは、とある掲示板で見つけたランキング記事。

「キーエンスって、どんな企業だろう？」

不思議そうな表情でゆめが呟くと、同じ机で勉強していた子達が一斉に答えた。

「超有名じゃん！先進的な技術を扱っていて、研究者のアイドル企業と言われているよ」

「ああ、そっか」

ゆめは、少し興味を抱きながらも、ランキングの1位に輝いた企業が気になっていた。

それは、

「パンダグッズ株式会社」

興味本位でその企業名を耳にした瞬間、ゆめの好奇心は早くも頂点に達した。

「何でそんなに人気あるんだろう……」

誰も答えられない中、紫吹ゆめはその日から、パンダグッズ株式会社にとり憑かれた。

あれから2年、彼女はやっと就職できた初仕事先で、なんとそこは……

「パンダグッズ株式会社？！」

その光景に、ゆめは眉を顰めた。転職後の初出社日、彼女が目にしたのは、タヌキに仕立てられたパンダグッズ店だった。

結局、謎のパンダブームは、一夜にして消え去ったようだった。

「そんなに気にしなくても、もう過去の話だし」

同僚に笑われながらも、ゆめはふと自分自身を振り返り、思った。

「私も、現実と想像の狭間で生きていたんだよね」

彼女は、不思議な縁が導いたこの職場で、決意することができた。

それは、現実の中で、夢を叶えられる方法を見つけること。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：7 笑える：5 悲しい：2 夢がある：9 怖さ：0. 合計点：23