「文化祭で熱狂！トップ声優・沢城みゆきのキャラクターランキング第1位が舞台に！」

主人公・猪熊葉実（いのくまようみ）は、文化祭に向けての演劇の脚本を書くことになった高校生だ。ある日、友人との雑談で「沢城みゆきの演じるキャラクターで人気のあるのは誰だろう？」と話題になる中、葉実は「神原駿河」という名前を耳にする。そんな中、彼女は演劇で駿河を主人公にした脚本を書いてしまう。

文化祭当日、舞台袖から葉実は客席をのぞき込んだ。見ている人たちは、自分の作ったキャラクターが観客を楽しませている光景を目にしながら、気持ちが高揚する。

そして、演劇が終わり、葉実は友人たちとカフェに行く。その時、隣に座っていた中年男性が「あなたは駿河を生み出した子か？」と話しかけてくる。葉実は驚くが、男性は続けて「私も同じ気持ちになることがあったんだ。アイドルオ ダにハマった時、アイドルたちが私たちのために歌って踊ってくれる瞬間に、何か胸が熱くなるんだよ。お互い、自分たちが作ったキャラクターに感情移入するという点では、脚本家とファンは同じなんだよね」と言って、優しい笑顔を浮かべた。

葉実は、彼から双眼鏡を譲られ、舞台袖から観客を見ていると、そこには自分たちの作ったキャラクターを愛する人々がたくさんいた。彼らが笑顔で座っているのを見た瞬間、葉実は何かを感じた。これこそが、彼女が脚本を書く一番の喜びだということを。

「人々の笑顔を作ることが、私にとっての最高の報酬なんだ」と心の中でつぶやく葉実。

【感情分析】
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：9
笑える：1
悲しい：1
夢がある：10
怖さ：0
合計点：21