「小説家の嘆きから始まった、夢と現実のきらめき。『ドゥラメンテ』のファンレターに秘められた物語とは？」

主人公・雨宮藤爾は、十二年連れ添った妻と死別し、現在は一人息子と二人暮らし。小説家をしている藤爾は、自身の作品に絶望していた。

そんなある日、あるファンレターが彼に届く。差出人・ドゥラメンテという固有名詞に興味を持った藤爾は、彼女を調べるうちに熱中していく。

ドゥラメンテは、彼女が書く小説に登場させる架空の街だった。そこで起きた、ありえないくらいの奇妙な事件について書き綴り、謎めいたファンレターを送ってきたのだ。

彼女とやり取りを続けるうち、藤爾はドゥラメンテに魅了されていった。そして彼女が書く街の事件が、現実にも起こっていることに気づき……。

「街には、闇と歪みがあった。それを招いた人々もまた、同じ闇の中にいた。」

藤爾はドゥラメンテを探し、彼女が暮らす場所を訪れる。そこで、衝撃の真実が明かされる。

「私こそが、ドゥラメンテの作者だ」

その瞬間、藤爾は自分が書き上げられなかった小説を、ドゥラメンテが書いていたことを知る。そして彼女と共同で、そこに起きる連続殺人事件の解決に乗り出す。

予想外の展開、そして二人の出会いによって、藤爾は自分自身も変わっていく。そして彼が書き上げた、最高の小説が生まれた。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：8
笑える：1
悲しい：4
夢がある：9
怖さ：7
合計点：29